「これ。興味ある?」
次回作のCM撮りの現場で 進二はみそらに手招きされ側に寄った。
なにしろあの兄に わからないようにやれと頼まれているのだ。
ターゲットを身近に置いておく方が ことはやりやすいに違いない。
なにか偶然を装うチャンスさえ見逃さないようにしていれば いずれその時はやってくるはずだと進二は思っていた。
そのためには少々高くついても この傲慢な女に割りのいい仕事をまわしてやるしかない。
このシリーズ物のCMは5本撮ることが初めから決まっている。おいしい仕事にみそらはすぐに食いついてきた。
みそらは 自分の美貌で勝ち取ったと更にうぬぼれているに違いない。
「うちで撮ったビデオ。よく撮れてるわよ 隠し撮りにしては」
「うちで撮るって まさか……あの香南ちゃん?」
進二はヒューと口笛を鳴らす。
「お初ものとレイプものって売れるでしょ?」
紙袋にごっそり入ったビデオの数に進二は見えないように眉をひそめた。
狂ってる。
「これは香南ちゃんしってるの?」
「知らないわよ。だからいいんじゃないの」
「けどこんなことしてあんた……」
みそらは渡そうとしていた袋をさっと引っ込める。
「いいのよ。要らないなら。よそで売るまでね」
「おおっと、まったぁ〜」
進二は笑顔を作って紙袋を握った。
「わかったわかった。やらせていただきます。で、いくら?」
そうねとしばらく考えて みそらは指を1本立てた。
「シリーズ物だから高いわよ」
進二はとりあえず500万を渡してそれを預かった。
後は売れ高次第といってみそらを納得させて帰し進二はその足で隼人の家へと向かった。
家には香南が帰宅していただけで まだ隼人は居なかった。
「奥田は?」
香南が言うには買い物に行ったらしい。
これはこのテープを香南に見せる絶好のタイミングだ。
進二はこれ幸いと上がり込んでリビングの大きなテレビにいそいそとビデオをセットしはじめた。
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